琵琶湖にピラニア!
やめて欲しい、全く。
子供が泳ぐのに。
ブラックバスとブルーギルだけで
じゅうぶん滋賀は困っているのに
ピラニアまで来たらややこしい。
越冬できないって新聞にあったけど
生き延びたら大変なことだ。
むかし忍者「サスケ」でピラニアの話があった。
池の底に宝石がたくさん沈んでいて
池にはピラニアがいるから誰も取りに行けない
ある人物がサスケのお父さんに依頼する。
巨大なろうそくと巨大なコップを使って
一時的に池の水を吸い上げる、という話だ。
理科の実験でもあった。
インパクトが大きく、覚えておられる方も多いと思う。
見事、池の水はすっかりなくなる。
人々が我先にと宝石を取りに
池の底へ走っていく。
宝石を手に喜ぶ人の足元で
ピチピチとピラニアが腹を見せている。
その後、依頼者が裏切ったかなんかで
怒ったサスケのお父さんはコップを壊して
水浸しにしてしまう。
欲張りな人がみなピラニアに食べられてしまった。
あの衝撃は今でも残っている。
だからピラニアと聞くと
あの「サスケ」のなかの欲深い人々のように
みんな食べられてしまう気がする。
各地で似たようなことが起こっている。
アライグマやニシキヘビ
ワニとかイグアナ
そしてサソリ
勘弁して欲しい。
アライグマと言えば「ラスカル」じゃないか。
そして来年あたりは近所の山で
コーカサスやヘラクレスと言う名の大きなカブトが見つかるかもしれない。
雨が降るまえはツバメが低く飛ぶってことがよく言われる。
私の家の前では
なぜか野生の「キジ」が走っている。
「低く飛べ!」って思う。
捕まえられそうで手を伸ばし
近づくと走って逃げる。
飛べばいいのに。
あきらめると
しばらく走って
空高く飛んでいく。
塾をはじめた頃、
生徒が興奮して私に言った。
「塾に来る前に、カンガルー見たで!」
「へえ~、テレビでか?」
「違うって、塾来る途中の田んぼで」
他の生徒がどっと笑う。
「オーストラリアじゃ、ないんやから。
野生の王国じゃないって」
と取り合わなかった。
あたり前だ。
いくらなんでもカンガルーはいないだろう。
ペットにカンガルー飼ってる人はいないだろう。
妻にも言ったら笑っていた。
ある夜、田んぼの中に不審車がある、とまた生徒が言った。
私は急いで窓から身を乗り出した。
確かに怪しい。
田んぼの夜道のまんなかで
ずっとライトを照らしてじっとしている。
こちら側をうかがっている様子だ。
その頃から近所で空き巣被害がよくあって
私もピリピリしていたので
「ちょっと待っとけ!」
といって教室を飛び出し
不審車を捕まえようと
車をだした。
私の車を見ると慌てた様子で
不審車は走り始めた。
「いったい泥棒ってどんなやつだろう?」
友人の家が空き巣に入られた。
雨の日を選び、土足で上がり
家の中をむちゃくちゃにしていった。
「2人乗ってる感じだから
まともにやったら負けるな・・・」
相手がひとりでも凶器を持っていたら
簡単に負けそうだ。
「日本人じゃなくて外国人か?
琵琶湖に沈められるかもしれない・・・」
殺されるかもしれない恐怖心と
空き巣に対する怒りとで
ハンドルを握る手がかなり汗ばんだ。
不審車は急に速度を落としたり上げたりする
私は挑発のためライトをアップにし
ぶつかりそうなくらいまで近づく
車は集落に近づくと
急にスピードを上げた。
車はカーブを曲がった。
私も遅れまいとアクセルを踏んだ。
対向車が来たらアウトだ。
カーブを曲がると
そこはまたのどかな夜の水田。
不審車の影も形もない。
私はあっけにとられた。
エンジンをつけたまま外に出る。
車のライトがボーっと水田を照らす。
小さな羽虫がライトの光の中を飛び交う
そして私は見た
ライトが照らすその先に
短い前足を折りたたんで
真っ黒い目を大きく見開いた
カンガルーが立っているのを。
その白いお腹に
ポケットがあったかどうか
それは定かではない。
子供が泳ぐのに。
ブラックバスとブルーギルだけで
じゅうぶん滋賀は困っているのに
ピラニアまで来たらややこしい。
越冬できないって新聞にあったけど
生き延びたら大変なことだ。
むかし忍者「サスケ」でピラニアの話があった。
池の底に宝石がたくさん沈んでいて
池にはピラニアがいるから誰も取りに行けない
ある人物がサスケのお父さんに依頼する。
巨大なろうそくと巨大なコップを使って
一時的に池の水を吸い上げる、という話だ。
理科の実験でもあった。
インパクトが大きく、覚えておられる方も多いと思う。
見事、池の水はすっかりなくなる。
人々が我先にと宝石を取りに
池の底へ走っていく。
宝石を手に喜ぶ人の足元で
ピチピチとピラニアが腹を見せている。
その後、依頼者が裏切ったかなんかで
怒ったサスケのお父さんはコップを壊して
水浸しにしてしまう。
欲張りな人がみなピラニアに食べられてしまった。
あの衝撃は今でも残っている。
だからピラニアと聞くと
あの「サスケ」のなかの欲深い人々のように
みんな食べられてしまう気がする。
各地で似たようなことが起こっている。
アライグマやニシキヘビ
ワニとかイグアナ
そしてサソリ
勘弁して欲しい。
アライグマと言えば「ラスカル」じゃないか。
そして来年あたりは近所の山で
コーカサスやヘラクレスと言う名の大きなカブトが見つかるかもしれない。
雨が降るまえはツバメが低く飛ぶってことがよく言われる。
私の家の前では
なぜか野生の「キジ」が走っている。
「低く飛べ!」って思う。
捕まえられそうで手を伸ばし
近づくと走って逃げる。
飛べばいいのに。
あきらめると
しばらく走って
空高く飛んでいく。
塾をはじめた頃、
生徒が興奮して私に言った。
「塾に来る前に、カンガルー見たで!」
「へえ~、テレビでか?」
「違うって、塾来る途中の田んぼで」
他の生徒がどっと笑う。
「オーストラリアじゃ、ないんやから。
野生の王国じゃないって」
と取り合わなかった。
あたり前だ。
いくらなんでもカンガルーはいないだろう。
ペットにカンガルー飼ってる人はいないだろう。
妻にも言ったら笑っていた。
ある夜、田んぼの中に不審車がある、とまた生徒が言った。
私は急いで窓から身を乗り出した。
確かに怪しい。
田んぼの夜道のまんなかで
ずっとライトを照らしてじっとしている。
こちら側をうかがっている様子だ。
その頃から近所で空き巣被害がよくあって
私もピリピリしていたので
「ちょっと待っとけ!」
といって教室を飛び出し
不審車を捕まえようと
車をだした。
私の車を見ると慌てた様子で
不審車は走り始めた。
「いったい泥棒ってどんなやつだろう?」
友人の家が空き巣に入られた。
雨の日を選び、土足で上がり
家の中をむちゃくちゃにしていった。
「2人乗ってる感じだから
まともにやったら負けるな・・・」
相手がひとりでも凶器を持っていたら
簡単に負けそうだ。
「日本人じゃなくて外国人か?
琵琶湖に沈められるかもしれない・・・」
殺されるかもしれない恐怖心と
空き巣に対する怒りとで
ハンドルを握る手がかなり汗ばんだ。
不審車は急に速度を落としたり上げたりする
私は挑発のためライトをアップにし
ぶつかりそうなくらいまで近づく
車は集落に近づくと
急にスピードを上げた。
車はカーブを曲がった。
私も遅れまいとアクセルを踏んだ。
対向車が来たらアウトだ。
カーブを曲がると
そこはまたのどかな夜の水田。
不審車の影も形もない。
私はあっけにとられた。
エンジンをつけたまま外に出る。
車のライトがボーっと水田を照らす。
小さな羽虫がライトの光の中を飛び交う
そして私は見た
ライトが照らすその先に
短い前足を折りたたんで
真っ黒い目を大きく見開いた
カンガルーが立っているのを。
その白いお腹に
ポケットがあったかどうか
それは定かではない。