算数オリンピックのパイオニア 個別指導のりんご塾

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りんご塾通信

人の土俵では戦わない その2(京都のM先生への手紙)

(その1が下にあります)



FCに加盟するということは

人の土俵で戦うということだ。


わざわざ加盟金まで払い自分の戦う土俵を買う。

もうこの時点で勝負がついている。



誤解がないようにしたいのですがコンビニが悪い、

フランチャイザーが悪い、

加盟するなって言ってるわけではありません。


なかなか勝ち目の少ない戦いだってことが言いたいのです。

実際に私はあるFCに加盟したことがあります。

そこではいろいろ勉強させていただきました。

けれど儲かったという気はしません。

もともとの「お金儲けがしたい!」っていうのには

多分ほど遠いのではないでしょうか。

社会の仕組みを勉強させていただいた、という感じです。



それで話がコンビニだったりカレー屋だったりすると

そんなことはしないって思うんです。

けれど話が個人の学習塾の場合は違います。

どこにも加盟していないから大丈夫ってことになるんでしょうか?



今日はいっちゃいますね。

「アホか!」って言われるのを覚悟して。



われわれは大きな大きな土俵に上らされてます。

ですから人の土俵の上にいることに気が付かないのです。

主催者は誰か?

それは文部科学省あたりでしょうか?

それとも教育委員会とか学校法人でしょうか?



少なくとも我々は「受験」という土俵に上らされます。

受験のルールは我々が決めることができません。

塾がいう情報とかデータとかって何なんでしょう。

「うちのデータは精確だ」

そうでしょう。


私の塾が逆立ちしたってかなわないでしょう。

けれど、そう言って自慢している大手塾でも

受験のルールを自分で決めることができません。

大手が逆立ちしてもルールはかわりません。





誰でもできることではないのでしょうが

私がやりたいことは例えばコンビニエンスストアというような「ジャンル」をつくることです。

コンビニというジャンルをつくったのはヨーカ堂の鈴木敏文さんです。


アメリカから来たような気がしますが

日本が形だけ真似て独自のものを作り上げたんだと思っています。



教育業界では、じゃ、誰がジャンルを作ったのか?

一番元気なのはNOVAの猿橋社長でしょう。

「駅前留学」というジャンルをつくった。

すごいじゃないですか。

英語を教えているのに受験に左右されない。

テレビ電話のシェアが世界1位!(未発表)

「お茶の間留学」というジャンルをつくろうとしている。

いい、悪いは関係なく。




公文の故公文公会長。

「公文式」というジャンルをつくった。

いろいろ言われていますが偉大な方です。

算数・数学から計算だけを取り出して

それを階段状にして無学年制にし、

それを日本全国すみずみまで広められた。

海外にも進出しておられる。

計算だけやらせる!?なんて常識はずれの発想じゃないですか!

そう思いませんか?

公文の批判なんて簡単にできる。

塾をやってる方なら1日中批判できる。

けれど誰も公文式を作ることはできない。

マクドナルドと同じだ。

気の利いた店でなくてもマックよりおいしいサンドイッチなんて作れる。

けれど誰もマクドナルドと同じ規模で

ハンバーガーを流通させることなんてできない。




体に悪いとか、ファーストフードだからいけないなんて

誰だって言える。

けれど、いったいどこを見ているんだ?

我々はひとりの消費者としてマクドナルドを見て批判するのか

ひとりの駆け出しの経営者として天才経営者が作った傑作として学ぶのか

どちらなのか?


ひとりの教育者として公文式を見て批判するのか

それとも公文氏がつくりあげた巨大な天才的なシステムを見て学ぶのか

どちらなのか?

なぜA5版で

なぜ教材費は無料で

なぜ女性講師で

なぜ無学年制で

なぜ週2回で

なぜ月謝は6300円で

という天才的なシステムから学ばないのか?



セブンイレブンに入ってビールとチップスを買って

お金だけ払って帰るのか、

それともいたるところにある天才経営者鈴木会長の

天才的な作品をタダで見せてもらうのか

どちらなのか?

我々は商品を買って、その代価としてお金を払うだけなら

20年頑張っても、30年頑張っても

絶対にセブンイレブンの規模には届かない。

我々が経営者として成功したいなら

商品の代価としてお金を払うのだが

授業料として支払っているという意識が

絶対に必要ではないだろうか?



どう思われますか?

ねえ?

ちっぽけでいいんでしょうか?

受験産業でおわるのですか?

もちろん私の塾は小さくて

弱っちろくて

私の実力は講師を6,7人雇える程度です。

お恥ずかしいが言っちゃおう。

正社員を雇いたい!

けれどそんな力が全然ない!

事務員を雇いたい!

けれどそんな余裕は全然ない!


ですが、目指したいのです!

見ているところはこの受験産業の外なんです!




この世の中は人のためになることをする人は

賞賛をもって迎え入れられるのです。

今まで人が不便に感じていたことを解消する、

新たなサービスを提供する、

もちろんこれからの世の中は

環境に配慮したサービスが重視されるでしょう。

それも含めたところで人のためになることです。



それには受験産業の枠を越えなければならない。

受験という土俵を飛び出さないといけない。

受験という先人がつくった土俵の上で

私は競争したくない。

自分が死ぬほど努力した上前を

ちゃっかりはねてる人がいるからだ。



だから私は自分の土俵をつくり

その上で戦う。

その土俵ははじめは猫の額くらいの大きさでしょう。

その猫の額からどんな人でも始めないといけないと思ってます。





(偉そうなことを書きました。

 ああ、恥ずかしい。

 なぜ私はこんなに恥をさらしてまで

 毎日書いているのだろう か?

 追放された魂のように。


 京都のM先生!元気で待っていてください。

 これから、がんばりま~す。)




書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

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