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りんご塾通信

英語ってどうやってしゃべる?っていうか使い方って知ってる?4

英語をしゃべるときに意識するのがスクリーンだ。
特にプレゼン的に話すときなんかは完全にスクリーンがある。
くだけた日常会話っていうときはそうでもないから
やっぱり「しゃべるぞ」っていう気合があるときかもしれない。


近松門左衛門の「虚実皮膜論」というのを高校生のときに習った。
このとき先生が演者と観客のあいだに膜があるんだよ的な説明をしてて
それがあってるのかどうかわからないけど
英語をしゃべるときのイメージに近い。


近松浄瑠璃の名作『曽根崎心中』『冥土の飛脚』『国性爺合戦』『女殺油地獄』などが掲載され、名文の鑑賞を主体にしたのが本書である。その後に「虚実皮膜論」が載せられているのに注目される。『難波みやげ』と題される浄瑠璃評釈書で、著者は穂積以貫とされるが、近松が著者に語ったことばを載録したものである。

 いわゆる「虚実皮膜論(ひにくろん)」である。芸術は虚と実との境、真実と虚構との微妙な境目に不思議な力がひそむことを説いているのである。「芸といふものは実と虚との皮膜の間にあるもの也」「虚にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間に慰が有たるもの也」実際に似せることも似せるが、役者は同時に美化もする。実像に寸分違わぬ写実に徹してしまうと、本物そっくりではかえって興ざめするものである。文学作品はは絵空事でも実録集でもない。

 優れた役者、真の芸術家はその匙加減、微妙なバランス・調和をとることができる。芸術・文学論として的を得たものとして、高く評価されるのがこの近松「虚実皮膜論」である。
「虚実皮膜論」(浄瑠璃作家近松門左衛門) – 瀬戸内の地域文学 – Yahoo!ブログ



そんなすごい話じゃないけど、まあ、スクリーンがあって
そこにこれから話すことをまず書いてそれを読むんですよね。
そして聞いたことを文字にしてそれを読んで理解します。
そんなまわりくどいことしてるのか?って思われるかもしれないけど
これは母国語でもやっていることだと思うんですが、どうでしょう?

小林秀雄が中原中也に飲み屋で会って中也が
ひとくちめのビールを飲んで
「あ~、ボウヨウ、ボウヨウ」と言ったんですけど
そのとき小林秀雄は意味がわからなくて
「ボウヨウってどういう意味だ?」って聞くんですよ。
「茫洋たる大海の茫洋だよ」みたいに答えたって記憶があるけど
違ったかな?

そのときの小林秀雄の頭にはおそらくカタカナで
「ボウヨウ」って文字が浮かんでたと思うんです。
それで中也が説明してやっとそれが漢字に変換されて
「ああ、茫洋か」って意識されたんだと思うんです。
(あのときはもう二人の仲は険悪だったような気がするな~)


ですからわれわれが言葉を聞いたら頭の中には漢字が流れてるというか
頭のスクリーンには漢字がざーっと流れてるんじゃないかなって思います。
けれどそれがすごいスピードなのでわからないんですよね。
意識しないというか。


しかし外国語の場合は意識しないとやっぱり話せないし聞けないですよね。
意識するっていうのはそのスクリーンを意識するってことです。
その存在とそこに字を書くということに。


その訓練をせずに会話練習を闇雲にしても
短期記憶のなかに単語を浮かべるだけで
しばらくするときれいさっぱり水に流されて
それこそ茫洋たる大海に運ばれて戻ってこないってことになるんじゃ
ないでしょうかね。

まずやることはスクリーンをつくること。
そしてその訓練のはじまりは人称代名詞。

どういう風に使うかというと
スロットマシーンのように代名詞を入れ替えます。


You like me.
They like us.
I like you.
You like her.
We like you.


これをすごいスピードで練習します。
あ、英語の学習に大切なことはスピードですよ。
これを書いてない本がたくさんあります。
っていうか書いてある本を知らない。
スピードが遅かったら何にもなりません。
スロットマシーンの数字のように
くるくると代名詞を入れ替えられるようにするんです。

先生の役割は日本語を言うことです。
あなたは私を好き。
彼らは私たちを好き。
私はあなたが好き。
あなたは彼女を好き。
私たちはあなたが好き。


ととにかく無作為にどんどん言って
生徒はそれを瞬間的に英語にしていくんです。
そうする過程において生徒が上目遣いになります。
彼らは必ずそういう表情をします。
そう彼らはそのとき自分と先生の間の皮膜に映った文字を読んでいます。

スクリーンをわれわれは誰でも持っています。
しかし通常は無意識の領域で動いています。
それを意識の領域に引っ張ってくるんです。
それが私の英語の学習の第一段階です。


ということでまた書きます。


では。



書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

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