算数オリンピックのパイオニア 個別指導のりんご塾

Blog

りんご塾通信

ピーチ姫を助けることがゲームの目的ではない

『ドラゴン桜』が流行っている。

多分、たくさんの若者が今年は東大を目指すだろう。

もしも東大へ行くことが家庭で義務づけられていたら大変だろうな・・・。

受験というもののゴールは「東大合格」だろうか?



むかし、いとうせいこうさんの小説で

ゲームを一回で全クリしないと死んでしまうっていう小説があった。

『ノーライフキング』でしたね。

3回まで挑戦できるんでしたっけ?




もうはるかむかしに読んだきりで

今の今まで忘れていました。

ラストシーンだけ鮮明に覚えています。




昨日のSachi-netのサチさんのブログで

魅力的な教育・・・目下模索中というのがありました。





スーパーマリオブラザーズだったら、ピーチ姫を助けることがそもそもゲームの目的だった。でも、ゲームをする子供達に果たして本当にそんな意図はあるだろうか。いや、ないでしょう。結果的にピーチ姫を助ければゲームをクリアするだけの話であって、ゲームをする当人達は一つ一つのステージで展開するプレイ自体を楽しんでいるわけです。ピーチ姫には大変申し訳がないが、彼女は付属でしかないんです。




これを子供が勉強をすることにたとえると

わけがわからなくなるし

塾としてもちょっと厳しい部分がある。

つまり子供が勉強をわかることが楽しくて

東大合格はその附属品でしかない?

それはおかしい。

塾としてはやっぱりおかしい。




けれどこれをもし

マリオを塾講師と考えると

別のものが見えてくるような気がする。



ピーチ姫は「東大合格」。

塾講師であるマリオはひとつずつステージをクリアしていく。

そして失敗をくり返し経験を身に付け

見事ピーチ姫を助け出す。



もしもピーチ姫が「東大合格」で

マリオが生徒だとすると

それは「ノーライフキング」のように

失敗できないものになり非常に見ている方もしんどい。



塾講師は毎年受験を体験するが

実際は自分の受験でないところがゲームに似ている。

生徒が東大をあきらめても

別の大学という選択肢がいくらでもある。

それにいくつだって生徒は大学を受けることができる。

東大だけが大学ではない。

受験に関して言うと

中学も高校もある。



しかしほとんどの塾の先生は

生徒に勉強を教えること自体を楽しんでいる。

生徒が理解したときあのひらめいたように

パッと明るくなる表情、

暗記をしていて最後まで間違えずに言えたときの表情、

努力した結果点数が上がった学校のテストの答案を

うれしそうに見せてくるときの表情、

その他、いろいろな喜びがあるから

毎年毎年受験というものをいっしょに戦える。



塾講師にとっての受験は

教えるよろこびや成長する喜びに満ちた

波乱万丈の人生を生きることのできるもので

多少寝なくても

ご飯の時間がなくても

長時間没頭できる

やりがいのあるものになる。





『ドラゴン桜』の影響で

今年は東大を目指す若者が増えると思います。

ほとんどの時間を勉強に費やしているでしょう。

何年もそれだけに賭けてきたんでしょう。

しかしそれは定員が決まっているものなので

合格できない人もたくさん出ます。







けれど悲観する必要はない。

それはせいぜい人生の初めのステージにすぎない。

東大に合格した人は

そのはじめのステージを高得点でクリアしただけだ。

有利ではあるが次のステージをうまくクリアできるという保証はない。





本当のピーチ姫を救い出すには

まだまだ先は長い。


書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

無料体験のお申込み、ご不明点などお気軽にお問い合わせください。

お電話によるお問い合わせ

0749-27-7321

月-土曜 10:00 - 18:00

メールによるお問い合わせ