算数オリンピックのパイオニア 個別指導のりんご塾

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りんご塾通信

傘を借りませんか?

今日は朝からシトシトと雨が降っています。

こういう時の犬の散歩は厄介だ。

傘をさしながらになるからだ。

帰ってきてからも体を洗ってやらないといけない。



突然、家の前に白い車が停まり

紺色のスーツを着た男が2人出てきて

傘もささずに小走りにやって来た。



誰かと思えば銀行の担当者と支店長だった。



「すいません、支店長。

 残高不足ですかね?

 担保とりに来ました?」


と挨拶すると、


「いえいえ違いますよ。」


とニコニコしていた。


少しくらい雨にぬれても上機嫌だ。



挨拶がすむと短刀直入に支店長が言った


「運転資金出しますよ。

 借りてくださいよ。」


びっくりしたー!


どうしてもうちょっと資金があったらいいなって

考えてたことがわかったんだろう?


塾の運転資金には全く困っていないが

今回、教材作成のスタッフを雇おうと思って

ただ今検討中で

それで結局その資金が問題だった。

貯金をあてればすむ話なんですが

それもな~って感じでした。

今回だけは資金が先にいる

普段ならなんともないが

ちょうど自宅前の教室の入口に屋根をつけ

花壇をつぶして送迎用の駐車スペースをつくり

その工事費が厳しかった。



そんなところに

支店長の「お金借りてよ」だ。


「盗聴してるんじゃないですか?」

っていうとニコニコ否定した。

「イヤイヤイアー」

「ニコニコ否定しないでよ」

っていうと今度はニヤニヤ否定した。




外は雨だ。


新しくつくった駐車スペースに雨が落ちている。



雨の粒が窓ガラスをつたっていく。





銀行は雨が降っているときには傘を貸さないんじゃなかったのか?


この銀行はいつも雨が降りそうになると


傘を貸しにくる。



ある人が言っていた。


「銀行が借りてくださいって言ってきて

 金利が3%以下なら全部借りる。

 たとえば100万のお金を

 一年たって103万以上にできないんなら

 商売なんかやっていても無意味ですよ。

 一年で3%の利益が出せないなら

 経営者なんかやめようよって感じです。」



この言葉を聞いてから

借りてくれって来てるのに借りないと

遅かれ早かれ、先が見えてるなって思うようになりました。



「金利が3%以下なら

 お金を借りない経営者の

 心境が私にはわからない。」

ともおっしゃってました。





支店長には私の考えを

わかりやすく説明した。

これから私が進んでいく方向を。

塾だけではないということを。




「こんなこと言っててもいいんですかね?」

ってきくと

「そんなこと言えないような人は

 商売やっててもダメでしょう。」

って支店長は言った。





昨日のカナダの留学生がやっていたパズルを

支店長もやりたいっていうのでやらせてあげた。

「難しいですな~」

と笑っていた。

「うち、これ小学校2年生から

 一応やってるんですけどね。」

と言っても笑っていた。




彼は担当者に言った。

「じゃあ、お金用意してあげてよ」

「ハイ、わかりました。」

「ちょっと、待ってよ~」

と言ったけれど

彼らは傘もささずに

雨の中、小走りに車へ向かった。





傘を貸してあげればよかった。

書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

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