算数オリンピックのパイオニア 個別指導のりんご塾

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りんご塾通信

10年後

今までのんびりしている学校が多かったせいで

特になんてこともない塾でも生きのびてこられたって

今日はあらためて思いました。



私学の説明会へ行ってきて今これを書いています。

私は塾業界というものの10年後を考えて

危機感を強く持ちました。



朝、出かける前、妻が言いました。

「入試説明会って行かないとダメなの?」

って。

つまりお話聞いて頭下げて

お茶飲んで、よかったよかった、じゃないのか?って

言いたかったんだと思います。

そんなものは仕事のうちなのか?って。




出席して思いました。

10年後塾のあり方は変わっているだろう。

これはもう確実です。

多くの塾はなくなっているだろう。

今日はそう思いました。


この話題ってちょくちょく聞くのですが

自分のこととは今まで受け止めていなかったのでしょうね。



都市部ではあたり前のことなんでしょうが

中高一貫校や特進クラスにいってる子達って

塾が必要なくなるんですね。



学校が春講、夏講、冬講をやって

放課後に個別指導やって

予備校のサテラインとかやると

塾の存在理由が変わってきますね。



塾は少しでも偏差値の高い所へ入れたい

けれどそうすると中学・高校で塾をやめてしまう。



塾にとってはどうしたものかという話です。

そしてそういったことを公立高校もやり始めると

ますます塾の存在理由がわからなくなってくる。



「しっかり指導しますから

 うちの中学へ生徒さんが来れば

 塾へ行く必要はありませんよ」

ということをマイクで堂々と話しておられるのに

塾の先生たちは「ふん、ふん」って聞いている。

「ああ、いい学校ですね」って。

入試の傾向とか合格基準点とか合格偏差値とか

どうでもいいようなことをメモしたりして

これから学校というものが

どういうふうに変わっていくかという

肝心のところを聞き逃している。

マイクで大きな音で話されている本質を理解していない。



今まで確かに何度か同じようなセリフを聞いた覚えがあります。

けれどセンスが悪かった。

それにビジョンがなかった。



今日お世話になった学校には

明確なビジョンがあった。

センスが抜群だった。

余計な話はひとつもなかった。

担当者が前に出て説明をした。

余計な人はひとりも出席していなかった。

贅肉をそぎ落とした筋肉だけの説明会だった。

スタッフも信じられないくらい優秀だった。

校長先生の実力が他の学校に比べて突出していた。

歩くビジョンだ。

触れるものすべてを黄金に変える王だ。




こんなことはもう皆さん多分、ご存知なんだと思います。

多くの方が危機感を抱いて塾を運営されているんだと思います。

私がもし説明会へも行かず

インターネットで塾関係者の話も聞かず

のほほんと牧歌的な塾をやっていたら

10年後一瞬にして津波に飲み込まれていることでしょう。

それかジワジワと砂のお城が壊れていくように

塾が縮小していくのかもしれません。



塾の最大の欠点は

たいした努力もなしに

塾が成り立ってしまうということかもしれません。



今日私が聞いた私学の戦略やビジョンというものは

多くの人がのほほんとしているあいだに

必死になって頭を使って考え抜かれたものでした。



何をいまさらって感じの話題で申し訳ありませんでした。

忘れないうちに書いておこうって思ったもので。

必要のない場合、忘れてください。


それでは。






書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

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