About
りんご塾について才能ある子どもたちと
「日本一」の高みへ
滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。
2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。
長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。
99点と100点の
「1点差」が意味するもの
お子さんがテストで99点を取ってきたら、どのように言葉をかけますか?多くの方は、「惜しかったね」と声をかけるのではないでしょうか。
しかし、その99点は本当に「惜しかった」のでしょうか?たとえば、試験範囲の単元を90%ほど理解している子がいるとしましょう。その子は、テストの出題次第では運良く100点を取ることができるかもしれませんし、ほんの少し習熟が足りずに98点や99点になってしまうこともあるでしょう。たまたま理解の足りない箇所から出題されれば、90点に落ち込んでしまうこともあり得ます。
これに対して、「運よく」ではなく「確実に」100点を取る子の理解度というものは、100%に留まりません。確実に100点を取る子は、試験範囲にとらわれることなく貪欲に学び、先の学年の内容まで飛び級をして学習を進めていることがあります。こうした子どもたちは、120%、150%、あるいは200%というふうに、試験範囲よりもはるかに進んだ学習内容を身に付けています。そして、学年相当の知識しか持たない子どもたちを圧倒する知識量と経験に裏打ちされて、より確実に正答を導き出していくのです。
99点と100点の差は、見た目にはたったの1点ですが、両者の間には、点数だけでは計り知れない大きな実力差が隠れています。
りんご塾
算数パズルの「教材力」
2009年1月、私は算数パズル教材の書籍を出版しました。ところが、その教材について「教材に実績がない」とのご批判を受けた経験があります。学習塾のオリジナル教材における実績とは、言ってしまえば難関中学校への合格実績のことにほかなりません。
当塾は2000年9月に滋賀県彦根市で開業し、地元の子どもたちが通う小さな学習塾からスタートしました。考えてみると、地方に生まれた優秀な子どもたちにとって、その優秀さを示す指標が中学受験の合格率くらいしかないというのは、非常に不自由な話ではないでしょうか。それならば、私は、算数パズル教材で育ってきた子どもたちの実力を証明する手段として、全国どこからでも受験できる算数オリンピックにチャレンジしようと考えたのです。
りんご塾は、2009年から算数オリンピックへの挑戦をスタートしました。スタート当初は指導のノウハウも不十分で、メダルを獲れたはずの子が入賞を逃すという、悔しい思いを何度も経験しました。初期の天才たちがメダルを逃したのは、ひとえに私自身の力不足でした。しかし、子どもたちに10年以上も並走する中で、教材は経験値を蓄え、改定を繰り返してきました。りんご塾のオリジナル教材は、今や、全てが吟味を重ねた精鋭の設問です。
2014年度には、滋賀県で初の算数オリンピック金メダルを獲得することができました。
その後も継続して塾生から受賞者を輩出し、2017年10月には、最初の県外校である天王寺校がオープンしました。翌2018年の算数オリンピックでは早くも天王寺校のお子さんが銀メダルを獲得し、以降、各県外校からも入賞者が相次ぐようになりました。大変喜ばしい結果であるとともに、この実績こそ、どんな場所で、どの講師が指導しても成果を出すことのできる「りんご塾の教材力」の裏付けでもあるといえるでしょう。
「飛び級」学習がもたらすもの
学校生活において、才能ある子どもたちの多くは「算数って、簡単すぎてつまらない」というマイナス地点から出発しなければなりません。私は、その現実に大変心を痛めています。ただお行儀よくじっと座って、分かりきった内容ばかりを聞かされるのが学校の授業だとしたら、それは子どもにとってどれほど苦痛な時間でしょうか。
確かに、年齢的にはまだまだ幼い子どもたちです。あいさつができなくても、きちんと座っていられなくても、それは単に年相応のふるまいというだけのことで、その子の能力とは全く無関係です。年齢が幼いことは、才能のある子どもに一律で簡単な課題しか与えない理由にはなりません。
当塾の子どもたちの多くは、「飛び級」で学習を進めていきます。未就学児の子どもたちは小学校低学年相当の内容から学びはじめ、小学校4年生頃には中学数学の内容に着手します。6年生の時点で中学数学の学習範囲を終え、高校数学まで進む子も珍しくはありません。
主要科目である算数・数学の学習が早期に終わっていれば、高校受験や大学受験に臨む際、学習のキャパシティに余裕を持つことができます。受験勉強に限らずとも、たとえば部活動や趣味の活動に、より自由に多くの時間を割くこともできるでしょう。
もっとできる、もっと学びたいという子どもたちの意欲に、私たちは応えるべきです。
子どもの才能を、
心から尊敬して支える
私自身も、また県外校で教えるりんご塾の講師陣も「飛び級」指導の方針においては共通の思いを持っています。講師らの多くもまた、「退屈な授業時間を我慢してやり過ごす」経験を持つ子どもだったからです。
子どもたちが目を輝かせてりんご塾の課題に取り組んでいる姿を見ると、私自身も率直に「羨ましいな、こんな風に学習したかったな」と感じます。また「自分は子どものころに、この子ほどのことができただろうか?」と、自身を振り返るたびに「この子は賢い、すごい才能の持ち主だ、天才だ」という尊敬の念が自然と湧き上がってくるのです。
子どもたちは、わざわざ大人に指図されなくても、学びたければ自ら学ぶものです。たとえやめなさいと言ったって、きっと勝手に学んで伸びていくでしょう。りんご塾は、そんな子どもたちの知的好奇心を満たす学びの場所であり、思う存分に自らの限界に挑戦できる場所、自分らしく全力を発揮して輝ける居場所でありたいと願っています。
私は、才能ある子どもたちが適切な指導の下で努力を重ね、何より子ども自身が胸を弾ませながら学びを続けた先にこそ、算数オリンピック「日本一」の高みがあると信じています。
私たち講師の使命は、ただ、子どもたちが手を伸ばして届く限りの高みまで、どんどん先へ進んでいけるように信じ、導き、支えていくことにあります。かけがえのない才能をお預かりすることの責任を噛みしめ、講師一同もまた、日々研鑽を重ねてまいります。