算数オリンピックのパイオニア 個別指導のりんご塾

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りんご塾通信

『じごくのそうべえ』

本を読むのにも感性が必要だろうか?

ブログを巡回するにも感性が必要だろうか?



気分が落ち込みパサパサした感覚のときはブログを更新したくなくなる。

あとで読み返したら恐ろしくなるような内容かもしれないからだ。



問題提起なんていうまともなものでなく単なるはけ口に終わるかもしれない。

いっそ沈黙して人のブログを読んでいるほうがいいと思う。



ところでニュースサイトはネタが尽きないと言われる。

本当だろうか?



確かに人が書いた面白い記事を集めてくるのだから

巡回する時間さえとれば集まるような気がする。



けれどそこにどんな文字が並び

はじけるようなアイデア

瑞々しい文章が流れていても

読み手の感性が枯渇してる状態ではなにも汲み取れない気がする。





飲みすぎた次の朝、心と体が遊離しているようなときには

どんな言葉も頭にズキズキときて

体と心を現実になじませるために

そっとしておいて欲しいと静かに願う。




そんなときに限って窓外では道路工事を始めたり

幼稚園が運動会の練習を始めたりする。



体がえらく酸性に傾いている朝、

子供が読んでくれと絵本を持ってくる。

題名は『じごくのそうべえ』だ。

はじめのところからシャレていた。

そうべえ達が三途の川を渡るとき

先導している鬼達が叫ぶ、

「オイ、しっかりと船にしがみついておけよ。

 今、川に落ちたら『生きる』ぞ!」



あやまって三途の川に落ちたら生き返ってしまうそうだ。



閻魔大王に裁かれて

糞尿地獄に落とされ、バケモノの胃の中に入り

グツグツ煮え立つ釜の中をくぐり、針の山を越えて

そうしてそうべえ達は結局この世に帰ってくる。



ひと通り地獄を見てまわるのは「通過儀礼」のようなものだろう。

たかだか10数ページの絵本を読むだけで

私も「生き返った」ような気がした。



そうべえが間違えて地獄へ送られず

順当に天国への階段を登っていたのなら

生き返ることはなかったろう。



地獄を笑ってしまうこの感性こそが

生きるということの苦労から我々を救ってくれる気がした。






書いている人

田邉 亨 塾長

滋賀県出身、ニューヨーク市立大学及びぺンシルバニア州立大学で学び、その後大手国際特許事務所、学習塾を経て、現在は彦根市でりんご塾を5教場運営している。2010年より、りんご塾として算数オリンピックに参戦、2014年に小3部門で金メダルと長尾賞を受賞。
2017年は小6部門と小3部門の2冠を達成し、現在は彦根市を中心に幼児から小学6年生までを集め算数とそろばんに特化した塾を展開中。長年、沢山の児童を指導してきた経験から、早い段階での算数の教育の重要性や、算数好きなお子様を育てる家庭のあり方・関わり方等についても全国で講演会を行っている。著書多数。

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