神の子
数は少ないんですが
今小1が帰りました。
1時間ずっとがちゃがちゃしながら
たくさんのプリントをやっていきます。
数の感覚が未発達な子達に教えていると
涙が出そうになりました。
彼のわからないことがわかり
とてもうれしかった。
私はその迷路を来年、用意してあげる。
彼はそれでくちゃくちゃとやる。
するとまた迷路の領域が広がる。
「ありがとう」と言いたかった。
けれど文脈としておかしかったので
無言で彼を見つめた。
彼はうれしそうな顔。
私は泣きそうな顔。
不謹慎かもしれないが
算数の苦手な子は神の子に見える。
信じられないほどのものを私に与えてくれる。
彼らと過ごす1時間は黄金の1時間だ。
私が今日得たものはなんだと思いますか?
「数字は逆からも数えられたほうがいいよね~」
と
「数字はひとつ飛ばしでかぞえたれたほうがいいよね~」
です。
「10からひとつずつ減らして言って」って言うと
「10、9、7、6、8、9」
またまた~、神様。
「じゃあ、ひとつ飛ばしで言って」
「1、3、5、6、7、8、19!」
マジですか、神様。
彼が言えないということは
全国で何万人言えないんだろう?
じゃあ、世界では。
「あらやだ、うちのヒロくんは
お風呂で覚えましたよ。
日本地図もトイレに貼ってま~す、ふぁいと~!」
っていうのは単なる自慢だ。アドバイスじゃない。
生徒と、それじゃお風呂に入ろうか、ってわけにはいかない。
「お風呂で楽しく覚える」みたいな教材を作りたい。
もちろん机上の学習教材として。
毎日勉強して賢くなって
だんだんと忘れていくことを
彼らは教えてくれる。
どんな簡単なことでも
それが難しかったりわからなかったりした時があったはずだ。
勉強を続けると
わからなかった状態を忘れてしまう。
そんな失くした記憶を
笑顔で彼らは教えてくれる。
彼らは私に教えている意識なんかもちろんない。
塾講師に必要な能力のひとつは
生徒がなにがわからないかを感じ取る能力だ。
おっと、ありふれた結論になってしまった。
これはビジネス一般で言うと
顧客が何に不満に感じているかを知ることではないでしょうか。
あらあら、もっとありふれた結論になってしまった。
ということで時間もないのでこの辺で。
では。